無題ドキュメント

AMERICAN ALDER -広葉樹/カバノキ科ハンノキ/アメリカ西海岸/生育サイクル30-40年

太平洋北西海岸地域の代表的な広葉樹。硬くて重い木が多い広葉樹の中で、アルダー材は比較的柔らかく加工しやすいため家具の材料として古くから親しまれてきました。

2007年、モモ ナチュラルは新しい雰囲気を作るため、木本来の滑らかな肌触りとやさしい色味を残しながらもすっきりとした印象のあるアルダー材を取り入れました。滑らかな肌触りが魅力のアルダー材。 素朴でありながらも、上質な存在感と赤褐色の落ち着いた色合いが生み出すその触り心地は、思わずずっと触っていたくなるほどです。

アメリカンアルダーの生まれる場所

モモ ナチュラルのアルダー材はアメリカ西海岸から届きます。シアトル近郊の太平洋北西部はその肥沃な土壌と定期的な雨、気温がアルダーの成長に適しており、質の良いアルダー材が育つことで有名です。温かみが特徴のアルダー材ですが伐採直後の色は白に近く、少しずつ黄みのある優しい茶色へと変化をしていきます。

アルダー材には土壌の中の窒素を活性化させる特性を持つ一面も。そのため、地滑りや山火事などにより損傷した土壌でも自然に再生し、土をよみがえらせる最初の一歩の役割を担っています。また、ネイティブアメリカンによってさまざまな治療薬としても使われていたことから、今でもバーベキューなどのときに蚊よけとして使われています。

色の均一さを生む乾燥工程

均一な赤褐色の美しいアルダー材。この均一さは乾燥工程によって生まれます。アルダー材は伐採後、素早い乾燥が必要で、材の色が白くなったり赤くなったりと色のばらつきが生まれないよう、ただ乾かすのではなく、まず1~2週間の自然乾燥を行います。季節や気温、湿度によって都度調整が必要となる繊細な作業。次に、キルンドライ(人工乾燥)を2~4週間かけて仕上げます。この作業で重要なことは材の表面と中心部の水分を同じにする(*平衡含水率)作業です。この水分率が均一になっていないと加工途中で反りや割れの原因となるからです。窯の中では木の内部に比べて表面が先に乾くので、途中途中で蒸らして木の導管を開かせ、表面と内部の含水率を一定に揃えていきます。
ひと時も目を離さずにコントロールをしなければならない熟練の技術が要求される作業です。

品質を見極める

品質の良い素材を選ぶこと。家具づくりの第一歩は素材選びから始まります。モモ ナチュラルのアルダー材の製材所では、木材の等級を木を乾燥させた後に決定します。製材された後も木は呼吸を繰り返すため、乾燥後の反りや割れなどの木の状態を見て、木材のグレードを決定しなければ、正しく木の品質を見極めることが難しいのです。

アルダー材は建材〜家具など多岐に活用されることから12段階のグレードに選別されています。その中でもモモ ナチュラルではスーペリオールと位置付けられる最高品質のアルダー材を使用しています。その割合は全体のわずか7~8%。貴重な木材を使い、家具に加工してもその木が持つ特徴を最大限に活かす工夫を製品に取り入れています。

肌触りをありのままに感じられる塗装

アルダーの魅力である色味となめらかな肌触りを最高の状態で活かすため、モモ ナチュラルでは無色のオイルを浸透させるオイル塗装を行っています。
家具の表面に塗膜を貼るウレタン塗装とは異なり、オイルを染み込ませることで家具を仕上げるオイル塗装。表面のざらつきを完全になくすため、研磨の工程の精密さが必要になります。工場では、あらかた機械で加工したのち、全て人の手でサンディングを行い、ざらつきがないかのチェックを行います。
また、使いながら自分でメンテナンスができるのもオイル塗装ならでは。年月とともに生まれる傷や汚れもやすりをかけて落とすことができます。